こんにちは! ぐのです!
作業療法士としての経験を元に、
自助具の紹介や、選び方のコツなどをシェアしています。
今回は、介助箸「箸ぞうくん おつまみ」のレポートです。
別の記事で、「箸ぞうくん やじろべえ」についてもご紹介しています。
合わせてご覧ください。
この記事は、「箸ぞうくん おつまみ」について知りたい方に向けて発信しています。
「箸ぞうくん おつまみ」の特徴:とにかく軽い! 簡単に食事ができる! 介助箸っぽくない!

とにかく軽い! 一番軽い!
とにかく軽いです。約19g!
大人用の介助箸の中で、一番軽いです。
(私が知っている中ではですが)
介助箸は、多くの場合、使いやすくするために
2本の箸をつなぐ必要があるので、
ジョイントがついてるのですが、
そのジョイントの分だけ重くなります。
普通のお箸が、大体20g前後ですが、
介助箸の重さの平均が、約28g。(← なぎ調べ)
普通の箸くらいの重さですので、
介助箸の中では、圧倒的に軽いと言っていいでしょう。
さらに、取り付けられているジョイントのバネも、かなり軽い作りになっているようで、
つまむときの抵抗感は、かなり少ないです。
(バネの強さを測る専門の器具は持ち合わせていないので、感覚的な話になってしまいますが、
楽々箸クリップタイプ(樹脂製)のバネの強さが50gだそうで、使った感じは、それより軽いです。
もちろん、楽々箸も、ぜんぜん固い感じはしないんですけどね!)
使い方は簡単! つまむだけ!
もちろん、使い方も簡単です。
つまむだけ!
日本人であれば、箸での食事に愛着がありますよね。
普通の箸が使いづらくなったとしても、「箸で食べたい!」と思うでしょう。
「箸ぞうくん おつまみ」であれば、持ち方は、普通の箸と同じです。
箸を持つように持って、箸でつまむようにつまめば、箸で食べるように食事をすることができます。
箸先に、滑り止めの溝もついています。
簡単に、手軽に、楽に食べられる工夫がたくさん施されているので、
普通の箸が使いづらくなってきたという方には、安心して食事ができるお箸ですよ。
天然木素材がステキで、使いたくなるデザイン
さらに、素材が天然木で、シックな色味。
大人が好みそうなデザインです。
プラスチックのような安っぽさはありません。
真ん中に取り付けられているジョイントは、使っていると、手の中に隠れてしまいますし、
手に馴染みやすい色味なので、介助箸を使っているように見えません。
自助具に抵抗のある方でも、安心して使うことができるでしょう。
安めの値段設定
似た使い勝手の介助箸に、「箸ぞうくん やじろべえ」や「箸ノ助」がありますが、
これらの介助箸に比べると、少し安価な値段設定になっています。
やじろべえや箸ノ助が、大体3千円前後で販売されているのに対し、
「箸ぞうくん おつまみ」は、2千円前後です。
千円くらいの差があるので、比較的、手が出しやすいですよね。
デザイン性や使い勝手の良さ、圧倒的な軽さを考えると、むしろお得です。
「箸ぞうくん おつまみ」を使うときのデメリット・注意点
「箸ぞうくん おつまみ」が不向きな人は、
- 握って使う必要がある人
- 手首を回すことが難しい人
- 肘が十分に曲がらない人
- 手や指に変形がある人
があげられます。
握って使う人に不向きな理由
「箸ぞうくん おつまみ」を握って使おうとすると、
ちょうど、ジョイントが取り付けられている部分を持つことになります。
効率的に箸先を動かそうとすると、
ジョイント取り付け部分より、少し箸先よりに力を加える必要がありますが、
握って使うと、その部分にうまく力を伝えることが難しく、
むしろ余分に力を入れなければならない感じがすると思います。
箸の長さから考えて、箸先よりを持つのは、あまり現実的ではありません。
これが、握って使う場合には、「箸ぞうくん おつまみ」が不向きな理由です。
握って使う場合には、「箸ノ助」の方が適していると思います。
「箸ノ助」については、別の記事で解説しているので、
よろしければ参考にしてください。
手首を回せない人に不向きな理由
「箸ぞうくん おつまみ」に限らず、多くの介助箸も、普通の箸も、箸は、直線でできています。
ですので、手首を回せないと、箸先だけを口に入れることができないか、
お皿や茶碗から、食べ物をつまむことができないかのどちらかになります。
「食べる」という動作は、器と口の間を、箸やスプーンの先が行き来することでできるので、どちらかが難しいと、食事の動作に困難が生じます。



これが、手首が回せない人に「箸ぞうくん おつまみ」が不向きな理由です。
手首は、部分的にでも回せれば、食べることはできます。
拘縮や、なんらかの理由で、全く手首を回すことができない場合は、
別の食事の道具として、曲がりスプーンなど、
口に入る部分が、最初から口に向かっているものを選ぶようにしましょう。

肘が十分に曲げることが難しい人に「箸ぞうくん おつまみ」が不向きな理由

肘を曲げる角度が十分でない状態で、箸を使おうとすると、
箸先から口までの距離が遠いので、
少しでも口に届くように、
箸の、できるだけ後ろを持ちたくなると思います。
ですが、それだと、「箸ぞうくん おつまみ」は使えないのです。
先ほども少しお話ししましたが、
「箸ぞうくん おつまみ」のジョイントが取り付けられている場所は、
箸を持つときに、多くの人が持つであろう部分についています。
てこの原理で、そこが支点になり、
箸先が作用点になる訳ですが、
力点(力を加える点)がどこかというと、
ジョイント取り付け部分と箸先の中間になります。
ジョイント部分より後ろの部分は、力を加えても、箸先が動くことはありません。
もし、肘を曲げる角度が十分になく、それでも箸を使いたい場合は、
「箸ノ助」をオススメします。
「箸ノ助」は、ジョイントの取り付け位置が、箸の後ろの方にあるので、
「箸ぞうくん おつまみ」に比べると、遠くを持って使うことができるからです。
比較すると、
「箸ぞうくん おつまみ」の場合は、持っている部分から箸先までの距離が約12cmであるのに対し、
「箸ノ助」は、約17cmあります。

5cmの差は大きいですよね。
もし、肘が十分に曲げることができないけれど、箸で食事をしたい場合は、
「箸ノ助」を検討してみてください。
箸でなくても構わないという方でしたら、
先曲がりスプーンもオススメです。
先曲がりスプーンでも、曲げる部分を任意で変えられるものにしたほうが、
より食事がしやすい状態を作ることができると思います。
参考になさって下さい。
手や指に変形がある人に「箸ぞうくん おつまみ」が不向きな理由
程度にもよりますが、手や指に変形があると、指の先を箸に当てることができません。
指先が当てられないということは、指先の代わりに別の場所を当てるということになります。
例えば、人差し指の付け根などですね。リウマチで尺側変形などがあると、ここで箸を支えることが多いでしょう。
この状態で、「箸ぞうくん おつまみ」を使うと、結構不安定で、力加減や、何かの拍子にバランスが崩れやすく、食事の最中に、何回も持ち直さなければならなくなります。
手や指の変形がある場合には、「箸ぞうくん やじろべえ」か、「箸ノ助」がオススメです。
手の変形の程度によって、どちらがいいかは異なりますが、変形がひどい場合には。「箸ノ助」が使いやすいと思いますよ。
→ 「箸ノ助」「箸ぞうくん やじろべえ」比較記事|自助具なび
参考になれば幸いです。
まとめ
いかがでしたか。
不向きな人をたくさんあげてしまったので、「私も使えないんじゃ…?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
筋力低下が起こってきている場合や、利き手が変わってすぐなどの場合には、大変有用な介助箸です。
コンパクトですし、携帯用のケースがセットになって売っているものもあるので、外食や旅行などにも持っていきやすいです。
見た目も、介護用品感がなく、デザイン性もいいです。
「箸ノ助」や「箸ぞうくん やじろべえ」よりも、比較的安価なのも嬉しいです。
使ってみたい! と思われた方は、ぜひ使ってみてくださいね(^-^)