自助具解説/介助コップ「ほのぼの湯のみ」楽に飲めるのに、自助具っぽくない湯のみ

コップ

こんにちは、ぐのです!
作業療法士としての経験を元に、
自助具の紹介をしています。

今回は、
株式会社 青芳さん
ウィルアシストの
「ほのぼのシリーズ 湯のみ」
をご紹介します。
→ ウィルアシスト「ほのぼのシリーズ 湯のみ」ホームページ

自助具って、
選択肢が少ないですよね。
ご自身の機能に合わせて選ぶ必要があるので、
安っぽいデザインのものでも、
「仕方ない、これにするか…」
なんて、妥協しなきゃいけなかったり。

でも、実際に使うとなったら、
プラスチックの安っぽいものじゃ、
テンションは下がりますよね。

飲みやすさは大切だけど、
本当はデザインや見た目も
気に入ったものを使いたい!

「ほのぼのシリーズ 湯のみ」は
そんな思いに答えてくれる自助具なんです。

この記事は、
・「ほのぼの湯のみ」の情報が探していた人
・飲みやすいコップや湯のみを探している人
に向けて書いています。

1.こんな人にオススメ!

  • 上を向くと、首や腰が痛い人
  • 制限があって、上を向くことが難しい人
  • 腕をあげると、体のどこかしらに痛みがある人
  • 制限があって、腕を高くあげられない人

上記のような方に、オススメです。
上記のような症状がある人というと、
関節リウマチや頸椎症、
椎間板ヘルニア、
四十肩、五十肩(肩関節周囲炎)
などの診断がある人が多いのではないでしょうか。

2.使いやすさの秘密

まずは、使うことができるかどうかが大切です。
いくらデザインが良くても
使えなかったら、意味ないですもんね!

「ほのほのシリーズ 湯のみ」は
ウィルアシストさんが、
日本歯科大学の菊池武教授と
共同開発した製品なんです。

① 内側の形

「ほのぼのシリーズ 湯のみ」は
内側の形状が、こんな感じになっています。

ほのぼの湯のみ:内側の形

外側は、筒に近い形をしていますが、
内側は、底に向かって細くなっているんですね。

ほのぼのシリーズ 湯のみ:断面図

内側、つまり、飲み物が入る部分が
底にかけて細くなっているので、
大きく首を動かさなくても、
飲み物が口に入りやすいんです。

図でいうと、こんな感じです。

ほのぼの湯のみで飲むときの頭の位置
普通の湯のみで飲むときの頭の位置

普通の湯のみだと、
上を向かないと、
飲み物が口に入らないですよね。

でも、ほのぼのシリーズの湯のみなら、
すでに、湯のみの内側に傾斜がついているので、
真っ直ぐ前を向いたままでも
飲み物を飲み干すことができます。

また、上を向くことなく、飲むことができるので、
誤嚥(飲み物が気道に入ってしまうこと)のリスクも
少なくすることができます。

上半身においても、
普通の湯のみで飲む場合には、
首を上に向けて、
腕もあげて、
それに合わせて、
腰も反ることになりますが、

普通の湯のみで飲むときの姿勢
ほのぼの湯のみで飲むときの姿勢

ほのぼのシリーズ 湯のみであれば、
首も、腕も、腰も、
ほとんど動かさずに
飲み物を飲むことができるので、
体への負担が非常に少なくてすみます。

目線が上に行かないので、
ドラマのシーンを見逃さずに済みます!笑

② 外側の形

外側の形も、きちんと考えられています。

下の筒状の部分は、
日本人女性の手のひらの大きさから計算されており、
太すぎず、細すぎず、
持った感じが丁度いいです。

ほのぼの湯のみ:全体像

また、上の部分は
開くようにつくだれているため、
手から滑り落ちることを防いでくれます。

ほのぼの湯のみの上半分の形

③ 二重構造の利点

「ほのぼのシリーズ 湯のみ」は、
内側と外側で違う形をしている、
つまり、二重構造になっています。

そのため、湯のみの下半分は、
熱が伝わりにくいんですね。

熱々のお茶を入れても、
下の部分は、全然熱くありません。

上半分は、中に空洞の部分が少ないので、
そこそこ、熱が伝わり安いのですが、
そのため、うまく調整して持つと、
寒い日に、程よい熱で、
手を温めることができます。

(※ それでも、火傷には十分注意してくださいね!)

3.波佐見焼

「ほのぼのシリーズ 湯のみ」は、
波佐見焼です。

波佐見焼とは、
長崎県の波佐見町というところで作られる陶磁器のことで、
丈夫で扱いやすく、近年人気の焼き物です。

「ほのぼのシリーズ 湯のみ」にも、
焼き特有の貫入が見られます。
貫入とは、
釉薬が冷えた時にできるヒビ模様のことですね。

ほのぼの湯のみの貫入

この貫入は、使い込むうちに、
茶渋などに染まって、
少しずつ、色が変わっていくのだそうです。

この変わっていく景色に、
愛着を感じる人も多いそうです。

「ほのぼのシリーズ 湯のみ」は、
自助具ですので、楽に使える食器。
お付き合いも長くなります。

大切に使って、
自分だけの景色を育てていくのも
楽しみのひとつになりそうです。

4.バリエーション

私の手元にあるのは、
写真でお見せしている「縞(しま)」
だけなのですが、

他にも、
「渦(うず)」
「水玉(みずたま)」
があり、
計3種類の柄があります。

写真を取ることができないので、
ウィルアシストさんのサイトでお願いします(涙)
→ ウィルアシスト「ほのぼのシリーズ 湯のみ」

どれも素敵な柄です。

私は、「縞(しま)」が好きなのですが、
(だから買ったんですけど)

ほのぼの湯のみ(縞)の模様

他の2つの柄も、優しい色合いで、
とても素敵だなーと思います。

5.その他詳細

① 材質

材質は 磁器 です。

波佐見焼は、比較的丈夫ですが、
それでも割れ物ではありますので、
取扱いには注意しましょう。

② サイズ

本体サイズは、
飲み口の直径が、77mm
底の直径が、55mm
高さが、96mm
です。

重さは 170g
容量は 約110ml
です。

容量は、湯のみとしては
普通くらいの量が入ります。

マグカップほどは入らないので、
たっぷり入れて飲みたいという方は、
テイコブマグカップがオススメです。
陶磁器製のものではないですが、
飲みやすい形なので、
体への負担は少なく、飲むことができます。

→ 「テイコブマグカップ」解説記事|自助具なび(内部リンク)

6.まとめ

「ほのぼのシリーズ 湯のみ」
いかがでしたか?

首、肩、腰に負担の少ない形に、
焼き物ならではの趣があり、
とてもオススメの品物です。

私もすっかり気に入って、
これでよく白湯を飲みます。
(白湯って!と思われた方!
 白湯、おいしいですよ!)

私が個人的に気に入っているのが、
裏の印(なんていうんでしょう、刻印みたいな)です。

ほのぼの湯のみの裏の印

かわいいでしょ?
こういう細かいところに、
「キューン」と来るのですyo★

「ほのぼのシリーズ 湯のみ」は、
どのご家庭にあっても、
違和感なく、生活になじむ
懐の深い自助具です。
あなたも、ぜひ使ってみてください。

今回も最後まで読んでくださり、
ありがとうございました!
ではまた!

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