こんにちは。ぐのです(^0^)
作業療法士としての経験をもとに自助具について解説しています。
今回は、介助箸のひとつ「箸ノ助」についてお伝えします!

同系統の介助箸「やじろべえ」について紹介している記事、
「箸ノ助」と「やじろべえ」を比較した記事もありますので、興味のある方はそちらもどうぞ。
「箸ノ助」について、詳しい情報が欲しい方
に向けて書いています。
オススメする方
介助箸は、簡単に使えるお箸なので、多くの方た使うことができるお箸ですが、
その中でも「箸ノ助」は、特に、こんな方にオススメです。
- 使いやすい自助具の箸を探しているけれど、デザインにもこだわりたい
- いろいろ試すのは面倒! 間違いなく使える介助箸が欲しい
- できるだけ箸を持つように持ちたい(握って使いたくない)
- 手に変形があるけど、できるだけ箸の持ち方に近づけたい(握って使いたくない)
いかがですか?
あなたは、上記のいずれかに当てはまりましたか?
当てはまるのであれば、このまま読み進めてみてください。
「箸ノ助」は、あなたにぴったりの自助具かもしれません。
オススメするポイント
「箸ノ助」が、他の自助具のお箸と違う点は3つ。
- 高級感のある、大人っぽいデザイン
- 変形があっても持ちやすい形
- 弱い力でも使える設計
高級感のある、大人っぽいデザイン

「箸ノ助」は、グッドデザイン賞も受賞しており、高級感のあるデザインとなっています。
素材は、天然木の紫檀。
天然木ならではの木目も生きていて、趣きがあります。
濃い色味が、大人が使う箸にピッタリの落ち着きを感じさせますよね。
持つ部分の緩やかなカーブも美しいです。

今は、選択肢の多い時代ですが、自助具に関しては、なかなかその選択肢が少ないというのが現状です。
この記事を読んで下さっている方の中でも、「デザイン性にこだわりたい」と思っていらっしゃる方も、少なからずいらっしゃると思います。
自助具は、使う人に残されている機能も、選択の大きな判断材料になりますので、自由に選ぶというのは、難しいこともありますが、
できるだけ、ご自身の趣味や好みに合うものを使いたいですよね。
そう意味でも、「箸ノ助」は大変オススメです。
手に変形があっても、下から持ちやすい形
「箸ノ助」は、緩やかに大きなカーブがついており、下の部分に出っ張りがあります。

この形のおかげで、しっかり持って、箸を使うのに近い動作で食べることができます。
手に変形があると、普通の箸では、指をそわせることも難しくなります。
手の変形で多いのは、関節リウマチの方に多く見られる尺側偏位(尺側変形)です。(下の絵を参照)

このような変形があると、普通の箸では、人差し指の先を、箸に当てることが難しいため、箸で食べ物をつまむことが難しくなります。
比較的安価な介助箸もありますが、手の変形が強い場合は、安定的に持って食事をするのが大変で、返って手を痛めてしまったりすることもあるので要注意です。
試しに安価な介助箸を買ったとしても、うまく使えなければ、意味がありません。
ですので、手の変形が強い人ほど、適切に自助具を選ぶ必要があります。
「箸ノ助」であれば、持ち手の広さや、ジョイントの取り付け位置がちょうどいいので、
変形があったとしても、きちんと箸先に力を伝えて、使うことができます。
日本人であれば、いつまでも「箸で食事したい」と思うことは自然なことです。
適切に自助具を選んで、箸での食事を、いつまでも楽しみたいですね(^-^)
軽くつまめる
「箸ノ助」は、バネの抵抗感が弱く設計されています。
そのため、比較的軽い力で操作することができます。
つまむ感覚としては、厚み2〜3cmの食器洗い用のスポンジを、きゅっきゅっと、つぶす程度の力かなーと思います。
洗濯バサミよりは、間違いなく弱いです。
(想像してもらいながらの説明なので、伝わりづらくてごめんなさい)
普通の箸だと、手が疲れてきてしまう方も、負担が減ると思います。
利き手ではない手で食事をすることになると、想像以上に疲れます。
毎日3食となると、食事自体にゲンナリしてしまいそうです。
安価な介助箸もありますが、そういうものよりは、「箸ノ助」の方が弱い力で使うことができます。
筋力や持久力に自信のない方は、使ってみることをオススメします。
デメリット・注意点
「ホントにいいことだけなの?」
「デメリットってないの?」
本当に購入しようと思ったら、そんなふうに思ったりしますよね。
もちろん、向き不向きはありますので、その辺を解説していきます。
本当にご自身にあった自助具かどうか、確かめてみてください。
ちょっと大きめ
手に当たる部分の最大幅が、約3.5cmあります。
これが、大きいと感じる方もいらっしゃるようです。
私の手は、中指の先から、手首のシワまでで18cm弱程度なんですが、持つと、こんな感じ(↓)です。

「箸ノ助」を使うときは、親指と人差し指の付け根の間にはさんで持ちます。

「箸ノ助」の持ち手部分の幅は、約3cmです。

ですので、拘縮(関節が硬くなり、動かしづらくなった状態)などがあり、人差し指と親指を十分に開けない場合は、「箸ノ助」を、普通に持つことは難しいかもしれません。
ですが、「箸ノ助」の持ち方はひとつではありません。




ご自身の手の状態に合わせて、持ちやすいように持ちましょう。
ただ、5歳の子供でも持つことができたので、ほとんどの場合使うことはできると思います。
後ほど、幅や長さは細かく記載していきますので、そちらもご参考になさってくださいね(^0^)b
できる操作は「つまむ」だけ
ほとんどの介助箸は、簡単な操作で使うことができるよう、操作としては、「つまむだけ」です。
箸先を開くときも、手を緩めれば、バネの力で自然と開きますので、難しい操作は入りません。
ですが、逆にいうと、普通の箸でできる細かい操作はできません。
強いていうなら、柔らかいものを、押しつぶすようにして切るくらいですね。
普通の箸でできる細かい操作というと、「箸先を大きく開く」とか「箸先を交差させる」など、思い通りに切るときに行う操作だと思います。
そういう操作もできる介助箸をお探しの場合は、スケーターの「ジョイント木箸」がオススメです。
別記事で解説紹介しているので、興味のある方は覗いてみてくださいね。
→ジョイント木箸の記事はコチラ
細かいものをつまむのは不得意
「箸ノ助」の箸先は2.5mm程度あり、また、箸先が平らになっています。
ですので、細かいものをつまむことは不得意です。
「細かいものを最後まで箸で食べたい」という方だと、「箸ノ助」では難しいかもしれません。
とはいえ、9割方を「箸ノ助」で食べることはできます。
最後だけスプーンで食べるとか、すくいやすいお皿など、他の自助具と組み合わせたりして、工夫するといいと思います。
→ すくいやすいお皿「ユニバーサル・プレート」
ご自身にあった自助具を選んで、最後までストレスなく食事を楽しめるようにしたいですね。
ちょーーーーーっとだけ重め
先ほどもお伝えしましたが、「箸ノ助」の重さは、約35gです。
他の介助箸も、平均すると28g程度なので、比べれば、多少の重さがあります。
ただ、つまむ操作をする筋力と、箸を持ち上げる筋力は、別物であるということは申し上げておきたいと思います。
箸先を閉じることができないからといって、「箸ノ助」を持ち上げられないわけではないですし、
箸先が閉じれるからといって、「箸ノ助」が持ち上げられるとは限らないということです。
「箸ノ助」は、ジョイントのバネは柔らかい方です。
ですので、「握力はないけれど、腕の力はある」という方であれば、使うことができる可能性があります。
気にるけど判断に困るという方は、お話を伺ってアドバイスさせていただきますので、お声かけくださいね(^-^) →お問い合わせはコチラ
ちなみに、35gというと、ピーマン1個が30gくらいらしいので、ちょっと大きめのピーマンくらいって感じですね。
参考にしていただければと思います。
ちょっと値段が高め
値段は、気持ち高めです。
簡易的な介助箸が、1000円前後で販売されているのを考えると、3000円前後というのは、ちょっと二の足踏みますよね。わかります。
ですが、全く使えない自助具を3つ買うくらいなら、間違いなく使える「箸ノ助」を買った方がいい! と私は思います。
だって、使えない自助具に3000円払った後に、「箸ノ助」を買ったら、合計6000円払うことになっちゃいます。
それくらいなら、最初から「箸ノ助」を買うべきです。
安価な介助箸は、使えない可能性がありますが、「箸ノ助」は、大抵のケースで使える自助具です。
迷っているなら、「箸ノ助」をオススメします!
その他、詳細な仕様
細かい使用がお知りになりたい方もいらっしゃるかと思います。
素人の計測で恐縮ですが、私の手元にある「箸ノ助」で実測した数字を掲載していきます。
多少のズレはあるかと思いますが、ご了承いただけるとありがたいですm(_ _)m
全体の長さ/重さ
長さ 216mm
重さ 33g
パッケージについている説明書きには、「重さ/長さ:約35g/約22cm」とありました。
個々の商品ごとに、多少の誤差はあるかもしれません。
細かい部分の計測

① 39mm
② 28mm
③ 13mm(ジョイントパーツの接続部分を含みます)
④ 12mm(彫り込み部分の高さ)
⑤ 21mm(彫り込み部分の長さ)
(彫り込み部分の深さは、4mm程度)

⑥ 63mm(持つ部分の長さ)
⑦ 8mm(彫り込み部分の高さ)
⑧ 19mm(彫り込み部分の長さ)
(彫り込み部分の深さは、4mm程度)

⑨ 118mm(箸先からの真っ直ぐな部分の長さ)
⑩ 13mm(カーブ部分の高さ)

⑪ 33mm(一番後ろの幅)
⑫ 36mm(一番下、テーブルなどにつく部分の幅)
左右片方の箸の太さ 8mm

箸先が開いた時の幅 43mm
箸先の太さ 2.5mm程度
まとめ
いかがでしたか?
「箸ノ助」は、いろんな持ち方ができる介助箸で、手の変形があっても使える自助具です。
今まで使った介助箸は、どれもダメだった…という方や、無駄な買い物はしたくない!という方でしたら、「箸ノ助」はとてもオススメです!
ぜひ一度使ってみてください!
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
ではまた!

